□4月17日(水)


悪を分別しないゲダルヤ


エレミヤ書40:1-16(14)

聖書本文

40:1 【主】からエレミヤにあったことば。バビロンへ引いて行かれるエルサレムとユダの捕囚の民の間で鎖につながれていたエレミヤを、親衛隊の長ネブザルアダンがラマから釈放した後のことである。
40:2 親衛隊の長はエレミヤを連れ出して、彼に言った。「あなたの神、【主】は、この場所にこのわざわいを下すと語られた。
40:3 そして【主】はこれを下し、語ったとおりに行われた。あなたがたが【主】の前に罪ある者となり、その御声に聞き従わなかったので、このことがあなたがたに下ったのだ。
40:4 そこで今、見よ、私は今日、あなたの手にある鎖を解いて、あなたを釈放する。もし私とともにバビロンへ行くのがよいと思うなら、行きなさい。私があなたの世話をしよう。しかし、もし私と一緒にバビロンへ行くのが気に入らないなら、やめなさい。見なさい。全地はあなたの前に広がっている。あなたが行ってよいと思う、気に入ったところへ行きなさい。」
40:5 しかしエレミヤがまだ帰ろうとしないので、「では、バビロンの王がユダの町々を委ねた、シャファンの子アヒカムの子ゲダルヤのところへ帰り、彼とともに民のうちに住みなさい。でなければ、あなたが行くのによいと思うところへ、どこへでも行きなさい。」こうして親衛隊の長は、食糧と品物を与えて、彼を去らせた。
40:6 そこでエレミヤは、ミツパにいるアヒカムの子ゲダルヤのところに行って、彼とともに、その地に残された民の間に住んだ。
40:7  野にいた軍の高官たちとその部下たちはみな、バビロンの王がアヒカムの子ゲダルヤをその地の総督にして、バビロンに捕らえ移されなかった男、女、子どもたち、その地の貧しい民たちを彼に委ねたことを聞いた。
40:8 そして彼らはミツパにいるゲダルヤのもとに来た。ネタンヤの子イシュマエル、カレアハの子ヨハナンとヨナタン、タンフメテの子セラヤ、ネトファ人エファイの子ら、マアカ人の子エザンヤ、そして彼らの部下たちであった。
40:9 シャファンの子アヒカムの子ゲダルヤは、彼らとその部下たちに誓った。「カルデア人に仕えることを恐れてはならない。この地に住んで、バビロンの王に仕えなさい。そうすれば、あなたがたは幸せになる。
40:10 この私は、見よ、ミツパに住んで、私たちのところに来るカルデア人の前に立とう。あなたがたは、ぶどう酒、夏の果物、油を収穫して器に納め、自分たちが手に入れた町々に住むがよい。」
40:11 モアブや、アンモン人のところや、エドムや、あらゆる地方にいたユダヤ人もみな、バビロンの王がユダに人を残したこと、シャファンの子アヒカムの子ゲダルヤを彼らの総督に任命したことを聞いた。
40:12 そこで、ユダヤ人はみな、散らされていたすべての場所からユダの地に帰って来て、ミツパのゲダルヤのもとに行き、非常に多くのぶどう酒と夏の果物を収穫した。
40:13  さて、野にいたカレアハの子ヨハナンと、軍のすべての高官たちは、ミツパのゲダルヤのもとに来て、
40:14 彼に言った。「あなたは、アンモン人の王バアリスがネタンヤの子イシュマエルを送って、あなたを打ち殺そうとしているのをご存じですか。」しかし、アヒカムの子ゲダルヤは、彼らの言うことを信じなかった。
40:15 カレアハの子ヨハナンは、ミツパでひそかにゲダルヤに話して言った。「では、私が行って、ネタンヤの子イシュマエルを、だれにも分からないように打ち殺しましょう。どうして、彼があなたを打ち殺し、あなたのもとに集められた全ユダヤ人が散らされ、ユダの残りの者が滅びてよいでしょうか。」
40:16 しかし、アヒカムの子ゲダルヤは、カレアハの子ヨハナンに言った。「そんなことをしてはならない。あなたこそ、イシュマエルについて偽りを語っているからだ。」

聖書引用:新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会


日毎の糧

 バビロンの王は、ゲダルヤをユダの統治者として立てました。ゲダルヤは、以前、エレミヤの命を守ったアヒカムの子でした(26:24)。ゲダルヤは、以前の失敗を戒めとし、徹底してバビロンに仕えました(9,10)。すると、戦争と死の嵐はやみ、安定しました。それを聞いて、周辺の国々に逃れていたユダの民たちは、ゲダルヤの元に集まって来ました。しかし、この人々は、依然と主に聞き従わず、神様とバビロンに対抗しようという考えを抱いていました。また、ユダが滅んだ隙に地を奪おうとしていた周囲の国々に買収された人たちが、彼らの中に紛れ込んでいました。そのうちの一人がネタンヤの子イシュマエルです。彼はアンモン人の王の命を受け、ゲダルヤの命を狙っていました。このように、滅びを経験しても、依然と自分の考えを捨てず、他人が弱くなった隙を狙って飲み込もうとする者がいます。そのような人々が力を合わせて、ユダとゲダルヤを狙っていました。ヨハナンはゲダルヤに、イシュマエルを警戒するように教えましたが、彼は信じませんでした(14)。ヨハナンは、ユダの残った者たちだけでも守ろうとして、イシュマエルを殺そうとしましたが、ゲダルヤは最後までヨハナンの言葉を真実だとは思わず、彼を止めました。

 主は、弟子たちを世に遣わされる時、「わたしは狼の中に羊を送り出すようにして、あなたがたを遣わします。ですから、蛇のように賢く、鳩のように素直でありなさい。」と言われました(マタイ10:16)。神の人として、純潔な信仰を失ってはいけませんが、世の悪巧みに陥らない知恵も必要です。世の悪巧みを見抜き、悪と戦い、純潔を守り、義を立てなければなりません。ゲダルヤは、神様の御旨に従ってユダの残った者たちの傷ついた心を癒し、良い心で離散した民を集めました。人を信じてあげました。しかし、それだけでは良い指導者になれません。悪を分別できなかったゲダルヤは、悪者の剣で殺されることになります。今も、悪魔は、ほえたける獅子のように動き回り、自分だけではなく、兄弟姉妹、家庭、集まり、また国を狙っています。



祈り:主よ、神様の御言葉に素直に従う心と、悪魔の企みを見抜く知恵を与えてください。

一言:悪を分別する

【日ごとの糧】(daily bread)とは
【日ごとの糧】は個人的に、毎日欠かさず聖書を黙想し、生活と一体化するよう助ける案内書です。今日の御言葉を毎日黙想するためのQT教材です。
三ヶ月ごとに定期的に出版し、4年間で聖書全巻を学ぶことができるように編集されています。
教会の早朝祈り会、家庭礼拝、その他の集まりで今日の御言葉として活用されています。
特に、このような集まりで受けた御言葉の恵みを書いてお互いに発表すれば、聖徒の交わりと信仰の成長に大きな助けとなります。
弊宣教会は1968から【日ごとの糧】を出版しており、現在も複数のスタッフ(幹事、牧師)によって執筆され、3ヶ月ごとに定期的に出版しております。日本UBFの日ごとの糧は、英語・韓国語の日ごとの糧を元に翻訳・編集されたものです。

聖書別日ごとの糧