□3月28日(木)


ユダヤ人の王


ルカの福音書23:1-25(3)       受難週

聖書本文

23:1 集まっていた彼ら全員は立ち上がり、イエスをピラトのもとに連れて行った。
23:2 そしてイエスを訴え始めて、こう言った。「この者はわが民を惑わし、カエサルに税金を納めることを禁じ、自分は王キリストだと言っていることが分かりました。」
23:3 そこでピラトはイエスに尋ねた。「あなたはユダヤ人の王なのか。」イエスは答えられた。「あなたがそう言っています。」
23:4 ピラトは祭司長たちや群衆に、「この人には、訴える理由が何も見つからない」と言った。
23:5 しかし彼らは、「この者は、ガリラヤから始めてここまで、ユダヤ全土で教えながら民衆を扇動しているのです」と言い張った。
23:6  それを聞いたピラトは、この人はガリラヤ人かと尋ね、
23:7 ヘロデの支配下にあると分かると、イエスをヘロデのところに送った。ヘロデもそのころ、エルサレムにいたのである。
23:8 ヘロデはイエスを見ると、非常に喜んだ。イエスのことを聞いていて、ずっと前から会いたいと思い、またイエスが行うしるしを何か見たいと望んでいたからである。
23:9 それで、いろいろと質問したが、イエスは何もお答えにならなかった。
23:10 祭司長たちと律法学者たちはその場にいて、イエスを激しく訴えていた。
23:11 ヘロデもまた、自分の兵士たちと一緒にイエスを侮辱したり、からかったりしてから、はでな衣を着せてピラトに送り返した。
23:12 この日、ヘロデとピラトは親しくなった。それまでは互いに敵対していたのである。
23:13  ピラトは、祭司長たちと議員たち、そして民衆を呼び集め、
23:14 こう言った。「おまえたちはこの人を、民衆を惑わす者として私のところに連れて来た。私がおまえたちの前で取り調べたところ、おまえたちが訴えているような罪は何も見つからなかった。
23:15 ヘロデも同様だった。私たちにこの人を送り返して来たのだから。見なさい。この人は死に値することを何もしていない。
23:16 だから私は、むちで懲らしめたうえで釈放する。」
23:18 しかし彼らは一斉に叫んだ。「その男を殺せ。バラバを釈放しろ。」
23:19 バラバは、都に起こった暴動と人殺しのかどで、牢に入れられていた者であった。
23:20 ピラトはイエスを釈放しようと思って、再び彼らに呼びかけた。
23:21 しかし彼らは、「十字架だ。十字架につけろ」と叫び続けた。
23:22 ピラトは彼らに三度目に言った。「この人がどんな悪いことをしたというのか。彼には、死に値する罪が何も見つからなかった。だから私は、むちで懲らしめたうえで釈放する。」
23:23 けれども、彼らはイエスを十字架につけるように、しつこく大声で要求し続けた。そして、その声がいよいよ強くなっていった。
23:24 それでピラトは、彼らの要求どおりにすることに決めた。
23:25 すなわち、暴動と人殺しのかどで牢に入れられていた男を願いどおりに釈放し、他方イエスを彼らに引き渡して好きなようにさせた。

聖書引用:新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会


日毎の糧

宗教指導者達は、イエス様を殺すためにピラトのもとに連れて行きました。国民を惑わし、カイザルに税金を納めることを禁じ、自分を王キリストだと言っているとイエス様を訴えました。カイザルに反逆を試みたかのように見せかけようとして、このように訴えたのです。宗教指導者達の訴えを聞いたピラトは、イエス様に聞きました。「あなたはユダヤ人の王なのか」。イエス様は、宗教指導者達が訴えたような政治的な王ではありませんでした。ですから、イエス様がこの事実を否認すれば、無罪となって釈放されることが出来ました。それにもかかわらずイエス様は、「あなたがそう言っています。」と答えて否定しませんでした。このように言われた理由は何でしょうか。それは、世の王ではありませんでしたが、神の国の王であられるからです。聖書の預言どおりに、ユダヤ人の中から生まれた王であられるからです。イエス様は裁判の過程を通して、この事実をはっきりと示されました。ピラトは、イエス様が反逆者ではない事実を知っていたので、イエス様には罪がないと繰り返し宣布しました。しかし、ユダヤ人達は、イエス様を十字架につけろと叫び続けました。ピラトは三回もイエス様は死罪に値しないと言いましたが、彼らは大声でイエス様を十字架につけろと要求しました。彼らがこのように繰り返し十字架刑を要求した理由は、イエス様が、彼らの期待していたような王ではなかったからです。また、イエス様に対する妬みからです。自分の欲望を満たしてくれる王を願う人は、真の王であるイエス様を拒んで十字架につけろと叫びます。しかし私たちは、自分の欲望を満たそうとするよりも、神様が本当に与えようとして下さっているものを頂こうとするべきです。そうする時、神の国の王であるイエス様を喜んで受け入れることが出来るようになり、イエス様の支配を受けながら恵みと喜びを豊かに味わうようになります。



祈り:主よ、自分の欲望を満たそうとする自分の姿を認め、悔い改めます。神様が本当に与えようとして下さっているものを頂くことが出来るように、私に謙遜と信仰を与えて下さい。

一言:神の国を与えてくださるユダヤ人の王

【日ごとの糧】(daily bread)とは
【日ごとの糧】は個人的に、毎日欠かさず聖書を黙想し、生活と一体化するよう助ける案内書です。今日の御言葉を毎日黙想するためのQT教材です。
三ヶ月ごとに定期的に出版し、4年間で聖書全巻を学ぶことができるように編集されています。
教会の早朝祈り会、家庭礼拝、その他の集まりで今日の御言葉として活用されています。
特に、このような集まりで受けた御言葉の恵みを書いてお互いに発表すれば、聖徒の交わりと信仰の成長に大きな助けとなります。
弊宣教会は1968から【日ごとの糧】を出版しており、現在も複数のスタッフ(幹事、牧師)によって執筆され、3ヶ月ごとに定期的に出版しております。日本UBFの日ごとの糧は、英語・韓国語の日ごとの糧を元に翻訳・編集されたものです。

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