□3月19日(火)


主によること


士師記14:1-20(4)

聖書本文

14:1 サムソンは、ティムナに下って行ったとき、ペリシテ人の娘で、ティムナにいる一人の女を見た。
14:2 彼は上って行って、父と母に告げた。「私はティムナで一人の女を見ました。ペリシテ人の娘です。今、彼女を私の妻に迎えてください。」
14:3 父と母は言った。「あなたの身内の娘たちの中に、また、私の民全体の中に、女が一人もいないとでも言うのか。無割礼のペリシテ人から妻を迎えるとは。」サムソンは父に言った。「彼女を私の妻に迎えてください。彼女が気に入ったのです。」
14:4 彼の父と母は、それが【主】によることだとは知らなかった。主は、ペリシテ人と事を起こす機会を求めておられたのである。そのころ、ペリシテ人がイスラエルを支配していた。
14:5  サムソンは彼の父と母とともにティムナに下り、ティムナのぶどう畑にやって来た。すると見よ、一頭の若い獅子が吼えたけりながら彼に向かって来た。
14:6 このとき、【主】の霊が激しく彼の上に下ったので、彼はまるで子やぎを引き裂くように、何も手に持たず獅子を引き裂いた。サムソンは自分がしたことを父にも母にも告げなかった。
14:7 サムソンは下って行って、その女と話した。サムソンは彼女が気に入った。
14:8 しばらくたってから、サムソンは彼女を妻にしようと戻って行った。あの獅子の死骸を見ようと、脇道に入って行くと、なんと、獅子のからだに蜜蜂の群れがいて、蜜があった。
14:9 彼はそれを両手にかき集めて、歩きながら食べた。彼は自分の父母のところに行って、それを彼らに与えたので、彼らも食べた。その蜜を獅子のからだからかき集めたことは、彼らには告げなかった。
14:10  彼の父がその女のところに下って来たとき、サムソンはそこで祝宴を催した。若い男たちはそのようにするのが常だった。
14:11 人々はサムソンを見て、客を三十人連れて来た。彼らはサムソンに付き添った。
14:12 サムソンは彼らに言った。「さあ、あなたがたに一つの謎をかけよう。もし、あなたがたが七日の祝宴の間に、それを見事に私に解き明かし、答えを見つけることができたなら、あなたがたに亜麻布三十着と晴れ着三十着を差し上げよう。
14:13 もし、それを解き明かすことができなければ、あなたがたが私に、亜麻布の衣服三十着と晴れ着三十着を差し出すことにしよう。」彼らは言った。「謎をかけなさい。われわれは聞こう。」
14:14 そこで、サムソンは彼らに言った。
  「食らうものから食べ物が出た。
  強いものから甘い物が出た。」
彼らは三日たっても、その謎を解き明かすことができなかった。
14:15  七日目になって、彼らはサムソンの妻に言った。「おまえの夫を口説いて、あの謎をわれわれに明かしなさい。そうしないと、火でおまえとおまえの父の家を焼き払ってしまうぞ。おまえたちはわれわれからはぎ取ろうとして招待したのか。そうではないだろう。」
14:16 そこで、サムソンの妻は夫に泣きすがって言った。「あなたは私を嫌ってばかりいて、私を愛してくださいません。あなたは私の同族の人たちに謎をかけて、それを私に明かしてくださいません。」サムソンは彼女に言った。「見なさい。私は父にも母にもそれを解き明かしてはいないのだ。おまえに解き明かさなければならないのか。」
14:17 彼女は祝宴が続いていた七日間、サムソンに泣きすがった。七日目になって、彼女がしきりにせがんだので、サムソンは彼女に明かした。それで、彼女はその謎を自分の同族の人たちに明かした。
14:18 町の人々は、七日目の日が沈む前にサムソンに言った。
  「蜂蜜よりも甘いものは何か。
  雄獅子よりも強いものは何か。」
すると、サムソンは彼らに言った。
  「もし、私の雌の子牛で耕さなかったなら、
  あなたがたは私の謎を解けなかっただろうに。」
14:19 そのとき、【主】の霊が激しくサムソンの上に下った。彼はアシュケロンに下って行って、そこの住民を三十人打ち殺し、彼らからはぎ取って、謎を明かした者たちにその晴れ着をやり、怒りに燃えて父の家に帰った。
14:20 サムソンの妻は、彼に付き添った客の一人のものとなった。

聖書引用:新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会


日毎の糧

 サムソンはナジル人でしたが、ティムナにいる一人のペリシテ人の女性を見初めて、妻にしようとしました。彼の父と母はペリシテ人との婚約には反対しました。なぜならモーセの律法に反することだからです。しかし、サムソンは彼女を気に入ったと言い、迎えてもらうよう食い下がりました。サムソンは神様が選ばれた士師らしくないように見えます。相手の容貌だけで結婚を決めてしまう世俗的な人のように見えます。しかし、これは主によるものでした(4)。サムソンの世俗的で頑なな言動を用いて、ペリシテ人を討つ機会を主は求めておられたのです。ただこのことを父と母は悟ってはいなかったのです。ティムナに降る途上で若い獅子が吠えたけりながら彼に向かってくると、主はサムソンに、主ご自身の霊を激しく下らせました。獅子を素手で殺すほどでした。また、祝宴の後にも主の霊が激しく降り、アシュケロンの住民三十人を打ち殺すほどであったと記録されています。

 主のなさることは人知を超えています。サムソンの結婚、獅子の死骸に触れたこと、ナジル人なのに宴会をしたこと、彼の言動には合点がいかない、むしろ落伍者に映るのかもしれません。しかし、神様はそんなサムソンさえも用いて、イスラエルを苦しめるペリシテ人を打たれたのです。神様は何があってもご自身が選ばれた民を救われるのです。あなたのこれまでの失敗や過ちも、主は繊細に全てを働かせ、神様のご計画に全て繋がるようにして下さることに心を配りましょう。



祈り:主よ、足りなさや失敗、過ちを見ては、人や自分自身を裁きがちになります。そうではなく、全てのことを主が働かせて下さると謙遜に受け止めることができるようお助けください。

一言:主の働きがある

【日ごとの糧】(daily bread)とは
【日ごとの糧】は個人的に、毎日欠かさず聖書を黙想し、生活と一体化するよう助ける案内書です。今日の御言葉を毎日黙想するためのQT教材です。
三ヶ月ごとに定期的に出版し、4年間で聖書全巻を学ぶことができるように編集されています。
教会の早朝祈り会、家庭礼拝、その他の集まりで今日の御言葉として活用されています。
特に、このような集まりで受けた御言葉の恵みを書いてお互いに発表すれば、聖徒の交わりと信仰の成長に大きな助けとなります。
弊宣教会は1968から【日ごとの糧】を出版しており、現在も複数のスタッフ(幹事、牧師)によって執筆され、3ヶ月ごとに定期的に出版しております。日本UBFの日ごとの糧は、英語・韓国語の日ごとの糧を元に翻訳・編集されたものです。

聖書別日ごとの糧