□4月24日(水)
モアブの高ぶり
エレミヤ書48:1-47(10)
聖書本文
48:1 モアブについて。イスラエルの神、万軍の【主】はこう言われる。
「わざわいだ、ネボ。これは荒らされた。
キルヤタイムも辱められ、攻め取られた。
その砦は辱められ、打ちのめされた。
48:2 もはやモアブの誉れはない。
ヘシュボンは、これに悪事を企んでいる。
『行って、あの国民を絶ち滅ぼし、
無き者にしよう』と。
マデメンよ、おまえも黙らされる。
剣がおまえの後を追っている。
48:3 ホロナイムから叫び声がする。
『暴行だ。大いなる破滅だ』と。
48:4 モアブは打ち破られる。
その幼き者たちは叫び声をあげる。
48:5 まことに、ルヒテの坂は嘆きの中にあり、
彼らは泣きながら上る。
ホロナイムの下り坂では、
痛々しい破滅の叫びが聞こえる。
48:6 逃げて、自分自身を救え。
荒野の中の灌木のようになれ。
48:7 おまえは自分が作ったものと
財宝に拠り頼んだので、
おまえも捕らえられ、
ケモシュはその祭司や首長たちとともに、
捕囚となって出て行く。
48:8 荒らす者がすべての町に入って来る。
町は一つも逃れられない。
谷は滅び失せ、平地は根絶やしにされる。
──【主】がそう言われる──
48:9 モアブに翼を与えて、飛び去らせよ。
その町々は住む者もなくて荒れ果てる。
48:10 【主】のみわざをおろそかにする者は、のろわれよ。その剣をとどめて血を流さないようにする者は、のろわれよ。
48:11 モアブは若いときから安らかであった。
彼はぶどう酒の澱の上によどみ、
桶から桶へ空けられたこともなく、
捕囚として連れて行かれたこともなかった。
それゆえ、その味はそのまま残り、
香りも変わらなかった。
48:12 それゆえ、見よ、その時代が来る──【主】のことば──。そのとき、わたしは彼に酒蔵の番人たちを送る。彼らは彼を桶から移し、彼の桶を空にして、壺を砕く。
48:13 モアブは、ケモシュのゆえに恥を見る。イスラエルの家が、彼らが拠り頼むベテルのゆえに恥を見たように。
48:14 どうして、おまえたちは言えるだろうか。
『われわれは勇士、戦いの豪の者だ』と。
48:15 モアブは荒らされ、その町々は襲われて、
選り抜きの若者たちが屠り場に下って行く。
──その名を万軍の【主】という王のことば──
48:16 モアブの滅びは近づいた。
そのわざわいは速やかにやって来る。
48:17 周りの者、その名を知る者はみな、
これのために嘆け。
『どうして、力ある杖、
輝かしい笏が砕かれたのか』と。
48:18 ディボンに住む娘よ。
栄光の座から降りて、潤いのない地に座れ。
モアブを荒らす者が、おまえのところに攻め上り、
おまえの要塞を滅ぼしたからだ。
48:19 アロエルに住む女よ。
道の傍らに立って見張れ。
逃げる男、逃れる女に尋ねて、
『何が起こったのか』と言え。
48:20 モアブは打ちのめされ、辱められた。
泣き叫び、わめけ。
アルノンで『モアブは荒らされた』と告げよ。
48:21 さばきは次の平地に臨んだ。ホロン、ヤハツ、メファアテ、
48:22 ディボン、ネボ、ベテ・ディブラタイム、
48:23 キルヤタイム、ベテ・ガムル、ベテ・メオン、
48:24 ケリヨテ、ボツラ、モアブの地の遠くの町、近くの町すべてに。
48:25 モアブの角は切り落とされ、
その腕は砕かれた──【主】のことば。
48:26 彼を酔わせよ。【主】に対して高ぶったからだ。モアブは、へどを吐き、彼も笑いものとなる。
48:27 イスラエルは、おまえにとって笑いものではなかったのか。それとも、おまえが彼のことを語るたびに彼に向かって頭を振っていたのは、彼が盗人の間に見つけられたためか。
48:28 モアブの住民よ。
町を見捨てて岩間に住め。
穴の入り口のそばに巣を作る鳩のようになれ。
48:29 われわれはモアブの高ぶりを、
──彼は実に高ぶる者──
その傲慢、その高ぶりを、
その誇り、その慢心を聞いた。
48:30 わたしは彼の不遜さを知っている。
──【主】のことば──
その自慢話は正しくない。
その行いも正しくない。
48:31 それゆえ、わたしはモアブのために泣き叫び、モアブ全体のために叫ぶ。人々はキル・ヘレスの人々のために嘆く。
48:32 シブマのぶどうの木よ。わたしは
ヤゼルの涙にまさり、おまえのために泣く。
おまえのつるは伸びて海を越えた。
ヤゼルの海に達した。
そして、おまえの夏の果物とぶどうの収穫を、
荒らす者が襲った。
48:33 モアブの果樹園から、その地から、
喜びと楽しみが取り去られる。
わたしは石がめから酒を絶えさせた。
喜びの声をあげてぶどうを踏む者もなく、
ぶどう踏みの喜びの声は、
もはや喜びの声ではない。
48:34 ヘシュボンが悲鳴をあげたので、その声はエルアレとヤハツまで、ツォアルからホロナイムやエグラテ・シェリシヤまで届く。ニムリムの水さえ荒廃するからだ。
48:35 わたしはモアブで──【主】のことば──高き所でいけにえを献げる者を、その神々に犠牲を供える者を取り除く。
48:36 それゆえ、わたしの心は、モアブのために笛のように鳴る。わたしの心は、キル・ヘレスの人々のために笛のように鳴る。彼らの得た富も消え失せたからだ。
48:37 実に、彼らは頭の毛をみな剃り、ひげもみな切り取り、手もみな傷つけ、腰に粗布を着けている。
48:38 モアブのあらゆる屋根の上や広場には、嘆きしかない。わたしがモアブを、だれも欲しがらない器のように砕いたからだ──【主】のことば──。
48:39 どんなにか打ちのめされて、泣き叫ぶことか。どんなにかモアブは恥を見て、背を見せることか。モアブは、その周りのすべての者の笑いものとなり、恐怖のもととなった。」
48:40 まことに、【主】はこう言われる。
「見よ。敵が鷲のように襲いかかり、
モアブに対して翼を広げる。
48:41 町々は攻め取られ、要害は取られる。
その日、モアブの勇士の心は、
産みの苦しみにある女の心のようになる。
48:42 モアブは滅ぼし尽くされて、民でなくなる。
【主】に対して高ぶったからだ。
48:43 モアブの住民よ、おまえを
恐怖と落とし穴と罠が襲う。
──【主】のことば──
48:44 その恐怖から逃げる者は穴に落ち、
穴から這い上る者は罠に捕らえられる。
わたしがモアブに
彼らの刑罰の年を来させるからだ。
──【主】のことば──
48:45 ヘシュボンの陰には、
逃れる者たちが力尽きて立ち止まる。
火がヘシュボンから、
炎がシホンのうちから出るからだ。
それは、モアブのこめかみと、
騒がしい子どもの頭の頂を焼く。
48:46 ああ、モアブ。
ケモシュの民は滅びる。
おまえの息子は捕らわれの身となり、
娘は捕虜になって連れ去られるからだ。
48:47 しかし終わりの日に、
わたしはモアブを回復させる。
──【主】のことば。」
ここまでがモアブへのさばきである。
聖書引用:新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会
日毎の糧
モアブは高ぶりに満ちていました。モアブはユダ王国の東側に位置する、気候と地形に恵まれた国でした。それで、自分たちの作り上げた物や財宝に拠り頼み、自分たちを勇士、戦いの豪の者と呼び、経済力と軍事力を誇りました。主に対して高ぶり、イスラエルのことを、頭を振って物笑いにしました。バビロンと同盟を結び、ユダに敵対しました。また、何世紀にもわたって、モアブはイスラエル人を偶像崇拝に引きずり込みました。彼らは実に高慢で、常に心から高ぶっていました。神様はそんなモアブの傲慢に対して、バビロンを送って、彼らの全ての町と谷と平地を根絶やしにすることにしました。バビロンはモアブを徹底的に打ち負かします(10)。
モアブにさばきが下され、ついに、滅ぼされてなくなります。しかし、神様はモアブが滅び失せたことを嘆かれ、心は笛のように鳴るとおっしゃいます(36)。神様は彼らが滅ぶしかなかったことを、悲しまれました。神様は、しかし、終わりの日にモアブを回復させるともおっしゃいます。神様は人々の苦しみやさばきを喜ばれません。神様はすべての人が謙遜にご自分のもとに来て、救いを受けることを望んでおられます。神様は真に恵み深いお方です。
祈り:主よ、偽りの誇りから私を救い出し、謙遜に感謝し、御言葉に従うことができるように助けてください。
一言:高ぶりは神の懲らしめを招く
【日ごとの糧】(daily bread)とは
【日ごとの糧】は個人的に、毎日欠かさず聖書を黙想し、生活と一体化するよう助ける案内書です。今日の御言葉を毎日黙想するためのQT教材です。
三ヶ月ごとに定期的に出版し、4年間で聖書全巻を学ぶことができるように編集されています。
教会の早朝祈り会、家庭礼拝、その他の集まりで今日の御言葉として活用されています。
特に、このような集まりで受けた御言葉の恵みを書いてお互いに発表すれば、聖徒の交わりと信仰の成長に大きな助けとなります。
弊宣教会は1968から【日ごとの糧】を出版しており、現在も複数のスタッフ(幹事、牧師)によって執筆され、3ヶ月ごとに定期的に出版しております。日本UBFの日ごとの糧は、英語・韓国語の日ごとの糧を元に翻訳・編集されたものです。